2015年8月26日水曜日

ラース・ミュラーの本


建築、デザイン、タイポグラフィー、アート、写真に焦点を当てた本を出版するラース・ミュラー社。グラフィックデザイナーのオーナー名を冠した、このスイス、チューリッヒの出版社がつくる一冊一冊の自由な創造性に驚かされます。日本の販売システムでは実現不可能な斬新で贅沢な装丁、手触りのよい紙、美しいレイアウトと構成、書体・・・。コストに妥協せず、強烈な美意識と揺るぎない情熱が躍動している。すべてが本の理想像の一方向を示してくれるから、先日、所蔵本をいっせいに古書店へと委ねたさいも、ラース・ミュラーの本だけは手放せませんでした。これからも生涯、そばに置いて何度も読みたい。と、当然のように思わせる、ラース・ミュラーのデザイン哲学、本づくりへの考えは、ギンザ・グラフィック・ギャラリーの展示で見知ることができます。美しい本をじっくり愛でる至福を無料で、心ゆくまで心酔できる、素晴らしい展示です。ぼくは、また欲しい一冊に出合ってしまい、嬉しくも、きやすく手を出せない価格に心乱れているところ。

LEICA M-E SUMMILUX50mm

追伸:展示は8月26日(水)までです。会場でいただける展示解説本(写真左上)も秀逸です!