2015年9月4日金曜日

日本橋散歩




秋葉原のヨドバシに撮影用品を買いに行く。久々に太陽が顔を出し、透明かつ強い光で街を照射。濡れた地面からの照り返しが凄くて、レフ板が当たったかのように建築物や装飾が立体的に浮き出て、明暗のコントラストも強烈。ハワイの光景みたい。



こんな劇的な光のさまは、東京ではそうそうあるものではない。眩い光に包まれ、非日常感を愉しみたいから、築地の仕事場から歩いて行きました。




昭和通りから中央通りへ。異界への扉が開く日本橋で歩速をゆるめます。有名な石橋周辺には特別な気配が濃密。神獣や建築の細部に目を向ければ、100年以上前の時代をさまよう気分に。




三越のライオンに挨拶してから三井本館へ。オブジェも構造物も精緻な造形から、高い技術をもつ熟練工の手の動き、息遣いが伝わる。たとえ様式はヨーロッパの模倣でも、どこの国にもない、凛とした独自の佇まいに背筋が伸びます。上質さ、洗練さを求めて極めた栄華がしっかり残存。こんな場所はたぶんほかにはない。



巨大列柱群と街路樹の影。きりりとした直線とふくよかな曲線。人工物と自然の陰影が混じり合い、特別な情景を表出。息を呑み、ただ目を奪われます。




日本橋の中央通り周辺に残る歴史的建造物。今も、たぶんこれからも商業的に活かされていくから、歴史をさらに積み重ねていく。建築の価値をしっかり目に焼きつけ、肌感覚で内外に漂う空気感を感得できる、日本では稀有な地域。銀座から神田まで直線的に街を貫く中央通り。その幅広い歩道を浮遊し、特別な景色を愛でる散歩は、江戸めぐりの快楽的行為のひとつですね。


LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm