日本橋から中央通りを進み、神田駅のガードを抜ければ、秋葉原は目前。その手前のエリア、神田須田町もまた、懐かしい風景がそこかしこに残る。レンガ造りの高架をくぐると、趣きのある路地に当たりました。
室町時代、太田道灌が江戸城の鬼門除けとして植えたという柳の樹が風にたなびく。淡い影が壁の上で揺らぐさまがいい。
神田川沿いには、昭和3~4年築と思われる看板建築が残り、なかには現役の商家として使われている。
「建築探偵の冒険・東京篇」(ちくま文庫)で紹介されていた海老原商店も建物が健在。地上げ屋のしわざか、付近で三度の不審火があがっても、建物の保存を堅持したとか。その気概が素晴らしい。
再び中央通りに戻り、靖国通り沿いの須田町は宝物のような、文化財の宝庫。名建築が集まる通りの入口には、毛織物の卸商社、鷹岡株式会社が堂々と立つ。
「神田まつや」で蕎麦をすすり、昼間から酒を呑めたら・・・なんて妄想を抱くけれど、今日は仕事中。また休日に再訪し、実現しよう。すぐそばの甘味処「竹むら」で揚げ饅頭か、あんみつでなごむ、なんていうのも、オールドタウンをめぐる夢のひとときを締めくくるのに、ふさわしいですね。
LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm