白血病と闘い、克服した父。退院の日がいよいよ近づいてきた。発病を知らされたときは呆然となったが、高い確率で治ると医師に言われ希望を持ち、確かにそうなった。池江璃花子さんも完治するのだ。大丈夫。
しかし、長い3カ月だった。身体自体は良くなってきているのに、体力、気力がみるみる落ちていく父。相当にタフな心の持ち主にしても、ベッドで動けない日々に参ってしまう。それも仕方ないことだ。
幸い、築地の仕事場から病室まで歩いて約7分の近さ。ほぼ毎日、昼休みに行き来して声をかけ続けた。
ここは僕が生まれた場所でもあることが、前向きな気持ちの源になっていたと思う。
外国人駐留地だった地域に立つ、このキリスト教の教えを具現化する病院が存在していなければ、僕は生を受けていなかったかもしれない。
何かに護られている気配を感じながら、父に今日も会いに行く。まずはたくさんの献身に感謝。
LEICA M-E , 7artisans 28mm f1.4
MACRO ELMAR 90mm f4