2019年9月4日水曜日

vege



ほぼ毎週木曜日の夜、築地場外「酒美土場」に通うようになって、身体に安心でおいしいものを求める欲求が以前より確実に増している。では、東京でそうしたものに、気軽に出合えるかというと、なかなか容易ではないだろう。だから、自分の納得するものをワッパ弁当箱に詰めて仕事場に携行するのが僕の日常。昼前後に外出するときや、佃島の実家に泊まる翌日は外食を余儀なくされるから、目指す店は吟味する。その道先案内人になりそうな一冊を見つけた。『Plant-based Tokyo 東京ベジ帖』である。「酒美土場」の岩井さんも紹介されていることと、標準レンズの絞り開放を多用した濱津和貴さんの写真に魅せられて購入した。繊細なボケ味、自然な色表現、そして焦点をどこに据えるか、審美の眼が素晴らしい。



先日は外苑前で打ち合わせがあり、この本が選ぶ一軒「LAPAZ」で昼食をとった。キラー通り沿い、大好きな工藝店「グランピエ」隣の立地。昼の予算は2,000円前後。自分には不相応な価格帯だが、洗練を極めた空間で植物でできたプランツバーガーを堪能した。



食材を厳選し、揺るぎないスタイルを打ち出す店は東京においては特別な存在だろう。この本に載る店や「酒美土場」の馴染み客のお勧めを少しずつ訪ね、心身が悦ぶ食を探っていこう。今回、印象に残ったのは発酵保存食の副菜。今、発酵食品に目覚めつつあり、探求が今後は加速しそうな予感。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4