2019年10月2日水曜日

RESERCH



週末は基本、葉山にこもっている自分としては珍しく土曜日に仕事場近くで活動中。築地界隈のまちあるきマップを制作すべく、中央区とNPO Live with Dreamが主宰するワークショップに参加している。健常者はもちろん、身体が不自由な人にも役立つよう街の細部を徹底リサーチし、歌舞伎座裏の建物内で作り上げていくもの。究極のシティマップだ。



たとえば歩道と車道の境にはあえて段差を設けている。眼が見えない人の杖が段差に当たることで道路の状況がわかる。段差の高さは基本2cmなのだが、じっさいにはまちまちで、10cm近くの箇所もあり、車いすで自力で上ることはできない。ふだんなにげなくスタスタ歩いている地域を自走可能な車いすで30分ほど移動すると、新たな視座が得られた。まずフラットな歩道は少ないことを体感しつつ、わずかな時間で疲れ果てた。デコボコしていたり斜めにうねっていたり、自走を阻む歩道ばかり。ヨーロッパに多い石畳は身体へのショックが大きく、日本だけでなく、世界的にも車いすによる長距離移動は現実、不可能なのだと実感した。理想を願っていても前に進まない。現状を認識して、できる範囲の情報を隈なく拾い集め、まとめていかないと。



歩道の傾斜がきついところは、いちいち傾斜角を計測していく。10度を超えると、車いすの自走は不可。足が不自由な人も上るのに難儀する。そんな道がそこかしこにある。マップづくりのベテランである年輩の方からは「バブルレベル+傾斜計(clinometer pro)」というアプリが便利だと教わる。この手のアプリはたくさん存在するが、そのおじさんはいろいろ試して、これがいちばん使いやすいと言う。実践者の言葉は何より正しい。なにげないことだが、これも貴重な情報。すぐ、その場でiPhone11 proにダウンロードした。

iPhone11 pro
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8