2020年3月24日火曜日

喫茶マコ



築地の本当に佳い店を自己嗜好を前面に厳選し、取材していたのは1年ほど前のこと。いつものことながらリサーチも含めて短期集中で深掘りした一軒が「喫茶マコ」。熊谷ママから佇まいはそのまま継ぎつつ、フードとコーヒーのクオリティを快楽的に一新させた吉田オーナーに出会い、おおらかさとユーモア、鋭敏な味覚、銀座みゆき通り近くで朝まで営業のバーもかけもちで営む、尋常ではないタフさに魅せられた。



すっかりご無沙汰して、半年以上ぶりくらいに吉田さん、元気かなと昼に寄った。あれ、初見の人が厨房に立っていると自己紹介しながらスナップさせてもらう。WEB系マガジンの編集の仕事もしていたという田中さんが店長として昼のマコを任されていた。吉田さんに似た柔和なキャラクター。すぐに写真の話題で距離を縮められた。



コーヒーにサービスでなにかサービスでつくことが多い。この日は築地場外市場の洋菓子店「La Creme au beurre」の『まかろん』と『バタークリーム』。とくにバタークリームはひと舐めしたら爽快な酸味に感嘆。マコのさりげない洒落、大好きだなぁ。



近くの人気蕎麦店「長生庵」の女将さんが卵の具材をつくり納める『たまごサンド』はこれまた瞠目のおいしさ。相性抜群の柴漬けを添えるのがじつに気が利いている。



窓辺に酒瓶がずらり。ずいぶん種類が増えたなぁ。「夜マコ」の扉を開きたくなる。



帰り際、田中さんにお勧めの一本を勧められ後ろ髪を引かれる。彼の母が沖縄の人ということで、とっておきの泡盛。首里の瑞穂酒造の10年古酒『首里』。これを水出しコーヒーで割ると最高なんだそう。自分もコーヒー割の泡盛を週末楽しもうと、店を訪問前に思い浮かべていたからびっくり! なんだろうこの偶然。琉球にやっぱり呼ばれているのかもしれない。導きに従おう。

LEICA M-E , ELMARIT28mm 2nd / f2.8