2020年3月13日金曜日

OYATTU MAGAZINE





繰り返し何度でも開きたくなる。そんな普遍的な魅力をもつ雑誌や書籍が小さな出版社や書店から新たな形態で創出され始め、本当に価値あるものを手にできるようになった。『おやつマガジン』もその一冊。「伝えたいのは人気のお店やスイーツの情報ではなく、おやつがもたらす豊かな時間」という考えがすべてのページから感じ取れる。冒頭を飾る美しいイチゴのパフェを供する人も現在は実店舗がなく移転準備中。それはたまたまなのかはわからないが、じつに潔い企画・構成。しかし、そのパフェを食べるビジュアルが多幸感にあふれていて、たまらず今週末に鎌倉へ食べに行き、きらめく春のパフェにメロメロになりつつ魅惑の姿を写したくなった。

吉祥寺の「ブックオブスキュラ」から買うと、オリジナルシールとパフェのポストカードがおまけでついてくる。おやつの記事を制作した編集者自ら発送し、写真家でもある編集人の捺印入り領収書が同封されてくれるのも悦ばしい。取次を通さない直売、SNSでの連携など、つくり手と読み手がダイレクトな関係の嬉しい時代にぼくは向き合えている。

Panasonic GF-1 , MACRO ELMAR90mm / f4 with LEITZ16469Y