SHO FARMの援農で25年前、葉山町堀内の森戸海岸そばにあったアジアンカフェ&バー「LAH」でよく顔を合わせていた美しい女性Tさんに再会。最初は気づかなかったが、「クノさんですよね? (ミュージシャン)kazzの妻です」と声を掛けられ、端正な風貌から記憶が蘇った。当時、彼女は西アフリカの支援に関わり、現地で活動していた縁もあってか、西アフリカの布などの日用品を扱っていて、ぼくはその店でいくつか買い、今も使い続けている。
葉山芸術祭でアコースティックなオリジナル曲を演奏するkazzさん。この音楽がLAHのあった葉山町堀内や一色、ビーチタウンの空気感を表している(撮影/nuhorin)。
アフリカならではの色彩デザインが施されたプラスチック素材のヤカンは植物の水やりに日々愛用。90年代の葉山にはこうした東京でも見かけないものと出合え、kazzさんのほか、画家や編集者、写真家、作家、たくましく楽しみながら生き抜く魅力たっぷりのアーティストがたくさん暮らしていた。そんな彼らとの交流の場だったのが元薬屋の古い木造家屋を活用した「LAH」で、店主オーミヤ夫妻の高い美意識もあってどこか南方アジアのビーチリゾートそのものの雰囲気だった。アンティークとポップでスペイシーなものが絶妙なバランスで混じり合い、布、竹などの自然素材を多用したセンスの良い設え、陰翳深いライティング、クラブメッド仕込みの美味しいエスニック料理と酒に心酔し、毎日のように通っていた。互いにずいぶん歳をとったが、あの頃の葉山は本当に良かったねと眼を輝かせた。
快楽体験を懐かしみ、共感できる人とまた会えたのが嬉しい。そんな出会いを導くSHOFARMはやはり特別な気が流れている空間なのだろう。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4