葉山一色の「THE FIVE☆BEANS」には2週間弱毎にコーヒー豆を買いに行く。深い安らぎを与えてくれる、とびきり美味しい豆を手に入れる悦びに加え、別の楽しみが毎度ある。それは店主、森嵜健さんが纏う服を観ること。たいてい健さんは90年代のパタゴニアウェアで店頭に立っている。製品と色、その選択センスに唸り痺れるのだ。パタゴニアのスタッフとして働いていたこともある健さんが着る日常服は今や希少になった一着がほとんど。多彩なカラーバリエーションのなかでもベストを選んでいるから溜息しか出ない。同じパターンが欲しいと探しても、まず出合えない。例えば上の『パフボールプルオーバー』のバターナッツ色。1997年のMADE IN USAで、2000年以降、アジア工場で作られるようになる同製品とは色合いが違う。カリフォルニアのパタゴニア本社デザイン部の隣に生地工場があり、サンプルの中間色を微細に再現できた黄金期に比して、韓国工場の供給生地によるMADE INアジアの色は平凡で残念。90年代に当時は千葉県市川にあったパタゴニア日本支社からカタログが届くたびに、どの魅力的な色を直観的に即断して注文するか高価なプライスを含めてドキドキした。健さんの愛着するパタ製品を眼にすると、その異様な昂りを想い出し、胸が熱くなる。USA製生地の個性的な中間色は人気が集中し、悩んでいるとたちまち完売。早い者勝ちの買い物合戦だったのだ。
LEICA M-E, SUMMILUX 50mm ASPH. / f1.4