10年前に購入したパタゴニアのアノラック。裏面のコーティング剥離が酷くなり、全て剥がして薄手のナイロンウェアとして活用しようと試みるも、縫合部の接着シールをめくったら生地自体が破れてしまい呆然。2時間強の地道な作業が水の泡に。落胆し、ジッパー、コード類、ポケット部など転用できそうなパーツを切り取った。今回たまたま解体して心底感心したのだが、パタのウェアは隠れた部分も驚くほど緻密で丁寧な縫製がされていた。このアノラックは中国工場で仕立てられたものだが一切の手抜きはなく、長く機能を保つ仕様になっていた。裏面のコーティング以外は。80年代、90年代のUSA製造ウェアはさらに凝った、コストと手間を惜しまぬ造りをしているそうだから、社主イヴォン・シュイナードの「ウェアはファッションではなく道具だ」という精神が純粋に具現化されていた時期なのかもしれない。
代わりに6,000円ほどでコレクターから入手したのは1990年秋モデル(84000 F0)MADE IN USAのパタゴニア・アノラックジャケット。剥離の心配がないシンプルな両面ナイロン素材。パタゴニアのアウターで修繕しながら20年、30年と長く愛用するには、この年代の製品まで遡って探さなくてはいけない。乾燥した場所に保管されていたのか、31年前のウェアとは思えぬミントコンディション。
蛍光グリーンとグレー、淡いパープルの組み合わせが80年代から90年代初頭のスタイル。ブルーとパープルが溶け合う繊細な中間色はアメリカ製生地ならでは。光の質や強弱で微妙に色味が変わって眼に映る。秦野通いの春服として羽織るのが楽しみで仕方ない。
Apple Watch2の文字色もこのアノラックに合わせる。上着は90年代のパタゴニア、ディープパープル色のシンチラスナップT。初春は紫な気分!
LEICA M-E,SUMMILUX 50mm
SIGMA DP3MERRILL 75mm