DP3メリルの高精細な描写、高品位な色再現は圧倒的。ただし、独創システムの特性からか、構図にヴィヴィッドな赤色が多く占めると、実際と異なる色になることがあります。先日、ジョギング途中、峯山に咲き誇る花々をスナップしたのですが、カラーモード設定が「スタンダード」だと、オレンジの花が赤く滲む嫌らしい彩度に。しかし、専用ソフトによる現像でカラーモードを「ニュートラル」に変更するとナチュラルに好転。葉のグリーンもくすみますが、穏やかで温かい、ネガフィルムのような色味になりました。多少気になる点があっても、DPシリーズの痺れる描写への、ぼくの崇敬心は不変。平均点がほどよくまとまった物ではなく、個性が突出。そんなプロダクツは日本では生まれにくい。シグマが世に送るカメラは稀有にして崇高な存在です。
SIGMA DP3 MERRILL