春の陽気から一転、冷たい雨が降る天気となった週末。楽しみにしている海辺とトレイルのランニングをきっぱりと諦め、家にこもり、本を介して異国の町を旅していました。海岸に面したフランスのリゾート地、ドーヴィルからはじまる物語。その描写から想像する町の情景は、どこか自分の暮らす葉山に通じるものがあり、すっと小説の世界に感情移入できます。LC4に身をゆだね、ささやくような音量でChet Baker & Paul Bleyの『Diane』を聴きながら、疑似旅情に陶然となりつつ、うたたね。本と音楽で心を鎮められる、雨の休日も悪くないと肯定的な気分に。そんな安らぎの時間に欠かせない本は、ぼくの場合、鎌倉の古書店「ウサギノフクシュウ」で出合う率がかなり高い。店主が選び、美しい本棚に並ぶ古書はことごとく心に響き、ずっと求めていた良書とめぐりあえた嬉しさで、胸がいっぱいになります。ぼくにとっての最良のブックストアが鎌倉にあってよかった!
LEICA M-E SUMMILUX50mm