2017年11月24日金曜日

帝釈天再び


訪ねてみるとわかる、柴又帝釈天の広さと豪壮さ。1ヶ月前に初訪問を果たした僕と同じく、初めて境内をお参りした妻も驚いていた。北斎の代表作、あの波立つ浮世絵はここの波文様の木彫をモチーフにしていたなんて知らなかった。


寅さん映画で映されるのは、せいぜい二天門と、門をくぐった松の木のあたり。標準レンズの画角は全体のスケールとディテイルを伝えてこない。それも監督の意図があったのだろう。


妻はきわめて高い技巧の木彫のほか建築のパーツに感心。たとえばこのアールを描く手すり。木工の経験がある人は視点が違う。自分の目は見逃していた。


僕は寺紋の雷文に惹かれる。併設するルンビニ幼稚園にも。帝釈天近くに暮らす知人の親族はみんな子供をここに預けてきた。知人もそうするつもりだという。地域の支柱に寄り添い、生活に崇敬の心が根ざす柴又。じつに佳い町だと思う。

HASSELBLAD 500CM ,CARL ZEISS PLANAR C 80mm , f2.8  T* 
KODAK PORTRA400




2017年11月23日木曜日

柴又の品格


今月の「寅さんの日」(毎月10日)も柴又を再訪。午後の到着となったため、昼まで駅前でガイドをしているKさんには会えなかったけれど、この街に暮らす芸人・野口寅次郎さんから連絡をいただく。口約束を気に掛けて心配の声を掛けてくる。いまどきそんな律儀な人はそうはいないだろう。寅さんが憑依したような、実在の優しきお節介者なのだ。妻を連れての散歩前に、まずは参道の高木屋老舗で一息つく。映画の現場ロケでは山田洋次監督をはじめとする制作陣、俳優の方々の休憩場として利用されていたところ。その理由は店でおいしい団子と大きな急須を満たすお茶でなごんでいると、おのずとわかる気がする。店の人、空間、供するもの。すべてに一貫した品格と美意識、筋をきちんと通す気概を感じる。参道沿いの多くの店のなかでも、監督や渥美 清さんにとって、ここが格別な意味をもつ場所だったにちがいない。きっと深い交流があったのだろうが、そのつながりを店の宣伝材料に使うことは決してしていない。地元住民には高木姓の人が多いという。僕の暮らす葉山一色界隈では角田さんファミリーのような、土地の名士が地域文化を牽引し、誠実な商売を続けている。その姿勢に多くの学びがあると敬服している。

HASSELBLAD 500CM ,CARL ZEISS PLANAR C 80mm , f2.8  T* 
KODAK PORTRA400

2017年11月22日水曜日

1カ月ぶりに走る


ここ一カ月、週末は雨が続いたけれど、曇りの日もなんとなく気分が乗らなくてジョギングを休んでいた。さすがに体が重く感じて、いつものコースへゆっくり踏み出す。


海岸線から湘南国際村に続く急坂を上り、深い森に入る。少し前の荒天で倒木だらけ。トレイルへの進入口がある土地も売りに出されている。その土地の所有者以外、今後は湘南国際村側から葉山へとこのルートを通り抜けることは難しくなるかもしれない。稜線からの視点で「天使の梯子」が無数に降りる海原を見渡す。


南斜面の丘は暖かい。ここには下界とは別の気候が存在する。


高度を落とし、楽園集落を通って街へと戻る。


峯山・パシフィックコースト・トレイルの木々と海。この道も葉山側に土砂崩れあり。


椿もまもなく開花。迎える真冬もこの色濃い緑葉に心を温められることになるのだろう。1カ月ぶりに走って爽快だったが、その快感には多分に中毒性も含んでいる。観念にとらわれず、体調と気分に向きあい、無理なくこの遊びを愉しみ続けていけたら幸せだ。

SIGMA DP3 MERRILL 75mm f/2.8

2017年11月21日火曜日

MUJI のアクリルフレーム


横須賀中央駅そばの酉市で変わりだるまを入手したあと、モアーズ内のMUJIでセール中のシャツを買おうと立ち寄る。色合いの佳いマスタードカラーが一着だけストックしていてラッキー。気分よく店内を物色していたら、アクリルフレームが目に入る。写真好きの社員が撮ったと思われる旅のスナップが挟まれ、2つの穴を活かして吊るされていた。その使用例がとても魅力的に思え、欲しくなる。商品を上手に売るセンスを感じるし、そのはからいが消費を促すのだ。銀座のプロラボにて120ポジフィルフィルムをキャビネサイズでプリントし、竹尾の用紙にゴシック体でコメントを刷り、写真と合わせてこのフレームに挟む。穴はテグスを結び留め連結させる。来年初頭の展示手法が具体的に目に浮かんだ。MUJIの売り場はインスピレーションの源泉があふれている。

MUJIの商品展開の傾向から想像すると来年は廃番になる可能性も。ネット上では品切れのようだ。店舗の在庫を探してまとめ買いしておかなくちゃ。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4


2017年11月20日月曜日

20年ぶりのポジフィルムに感嘆


20年前、雑誌社に勤めていたときは、取材でのスタンダードな撮影フィルムだったフジフイルム「ベルビアRVP100」。週末の散歩スナップに使い、現像仕上がりをライトボックスの透過光で観て感嘆。特有の発色のよさに加えて、120フィルム(ブローニー)ならではの精緻な表現に心底驚いた。やわらかく淡くデフォルメされるネガフィルムとは異質のリアルな描写。空気の清らかさと穏やかさ、光の透明感、陰影。海辺の美しい世界をありのままに捉えていた。写真を観てこんなに心揺さぶられたのは久しぶりだ。しばらく大事な撮影はハッセルブラッドとポジフィルムを選択しようと決めた。

有楽町ビックカメラは120ポジフィルムの現像が2日ででき、料金は税抜600円。
フジフイルムには120ポジフィルムの製造・販売の継続を祈るように願うばかり

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4




2017年11月19日日曜日

柴犬だるま


ファンシー禁止の自己ルールをうっちゃってキュンとしちゃった。荒井だるま店がつくる柴犬だるまを横須賀酉の市に買いに行く。底部が粘土で重くなっていて、倒しても起き上がる。応対は朗らかな若き5代目。こんどは工房を見せてもらおう。


「お帰り」の決めポーズがたまらん。来年は戌年。まだまだ元気でいてね。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4


2017年11月18日土曜日

永代橋にて


東京を彷徨う屋台バー「Twillo」の原稿を深夜2時まで書き、主の神条さんに見せに行く。ふだんは23時前には深い眠りに落ちるのに、この晩は高揚感でちっとも眠くならない。永代橋に居ることを確認し、防寒の服装をまとい、築地から運河づたいに歩いて向かう。


趣味の話題を肴に1時間ほど心を温める。水の精霊がそばに佇む気配を感じながら。上質なカルバドスを一杯。1920年製のオールドバカラ「エトワール」に注いでもらう。紺碧の空に輝く星。至福のひととき。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4