2015年9月16日水曜日

ヴィンテージ・グラス兄弟



映画『エネミー・オブ・アメリカ』でジーン・ハックマンがかけていた、私物と思われる眼鏡が欲しくて、SOLAKZADEの岡本龍充さん、竜さんに調達してもらったのは5年ほど前のこと。ニューヨークにかつて存在したタート・オプティカルというメーカーのFDRというモデルでした。当時、大阪に予約制ショールームを構えていた岡本兄弟。今は表参道と明治通りが交差する場所でブティックを開いています。大阪時代は通販が主だったため、ホームページにストックしている、あるいは手配可能なヴィンテージの眼鏡、サングラスを詳細に掲載していましたが、今は、店を訪ねてくれる人をたいせつに、あえて具体的な情報は控えめに。古き良き時代のグラス。その魅力を伝える仕事のスタイルは変わったけれど、各国にネットワークをもつ2人の卓越した捜索能力、製品への知識、そして、なにより美しく洗練された造形を感得するセンスは不変。ぼくは篤い信頼を寄せています。



FDRなどタートオプティカルのデッドストックが発掘されると、彼らがファーストピック(最初に選ぶ)して、よいものだけを選んでいるそうです。古いものだけに、その吟味は重要です。




スタッフに腕のよい職人も抱え、フレームにフィットさせるさい、特別な配慮が必要なレンズ加工も自分たちでおこなう。その高い技術に、レンズメーカーも一目をおき、かつて加工の難しさから廃番にしたレンズを復刻し、彼らに委ねているそう。ぼくのFDRも屋内外でより快適に使えるよう、光の状態により色の濃度が変わる調光レンズに替えてもらうことにしました。仕上がりが楽しみです。




岡本さんの指には、インド、フランスなどで出合ったゴールドのヴィンテージ・ジュエリーが。近頃、ゴールドの輝きがもたらす高揚感に惹かれている自分は目が釘付け。欲しい! 10月1日には現在の場所でヴィンテージ・ジュエリーのショップもグランドオープンするそうです。ああ、やばいなぁ。

LEICA M-E  ,   SUMMILUX50mm ASPH.