2015年11月18日水曜日

繁体



漢字文化に慣れ親しんだ者としては、難しい漢字を簡略化した、中国大陸で普及する簡体字の利便性を理解しつつも、複雑なかたちそのものが味わいをみせる旧態の繁体字に惹かれます。台湾の人は繁体字を好み、あえて複雑な感じを使うことに誇りをもっている。その気構えが素晴らしい。1900年初頭の日本統治時代、漢方薬、乾物、布などを扱う店が集まり、風格と趣きがあるストリート迪化街は格好いい繁体字のオンパレード。店の看板も堂々としています。




有名な編組品問屋を冷やかしたあと、数々の乾物店を覗き、漢方の老舗長昇蔘」へ。




店の奥では漢方をてきぱきと詰めていました。病に効きそうな、さまざまな神秘の香りに包まれ、ぼんやり眺めていると、店員さんが片言の日本語で話しかけてくれました。




体の症状を伝えれば、求めやすいタブレットや粉末になったものを処方してくれます。低気圧が近づくと頭痛に見舞われがちな妻には「五苓散」という漢方薬が効きそうなので、出してもらいました。



黄と緑のパッケージ、金が光るチープな袋がいいですね(笑)。薬はなるべく飲まないようにしているぼくですが、買い物の目的がなければ店に入らなかったかもしれません。しかし、店の人と言葉を交わし、やりとりすることで、スタイルや気質など深部まで知ることも多々。と、散財の言いわけ。


LEICA M-E ,  SUMMILUX50mm ASPH.