2016年3月15日火曜日

ブルックリンのラッピングペーパー



NYブルックリン在住の編集者・ライター、仁平綾さん出版記念イヴェント著書に掲載されたラッピングペーペーを購入。1949年に家族経営で創業したブルックリンのノートブランド「マイケル・ロジャーの「Decomp Wrap Rolls」という現行製品。印刷のために複写された素材の実物が目前にあるという不思議。紙を触り、眺め、この本への想い入れも増していきます。




レトロなモチーフ、オレンジの色合いがいい。本に載る紙で、その本を包む。ブックカバーとして活用してみました。NYにおけるラッピング文化の奥行きの深さ、拡がりは、たとえば裏面の工夫からも想像できます。適当なサイズで、なおかつ紙を無駄なく正確に切り分けられるよう、白地の裏面には縦横にノートブックみたいな罫線が目安として引かれています。表側の文様に惑わされて、どこでどう切ったらいいのかわからない迷いをえいっと振り払い、大胆にハサミを入れられるのが、いかにも米国流合理主義。と思ったのですが、実は罫線も文様の一部で、それはノートブランドゆえの洒落心なのかもしれません。そんなさりげない洗練さ、ユーモアを嫉妬するように憧れます。



NYの紙もの図鑑をNYの紙でカバー。なかなかよい着想ではないかと自己満足。本のデザイナーや編集者のアイデアにじかに触れられるような展示が、いくつかの書店で最近催されていますが、本好きにはたまらない至福の機会ではないでしょうか。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH.