2016年3月25日金曜日

激坂前の菓子



週末スロージョギングでは海から丘を越えて町に戻ります。最大の難所は湘南国際村へと向かう急坂。ロードサイクリストのあいだでは「激坂」とも比喩される8~9%(100mごとに8~9m登る)の坂道が1km続きます。ジョギングを始めた1年前には苦しさのあまり、途中で歩いたりしていた区間ですが、体が順応したのか、ゆっくりですが走り通せるようになりました。体力がついたことに加えて、坂のスタート地点にある和菓子露店の存在が走りの気力を生み出す原動力になっています。豆大福、赤飯、草餅、おはぎと何でもおいしいのですが、いちばんの好物はあんの詰まった大きな茶饅頭でした。先日もこの茶饅頭を愉しみに寄ったところ、「無いよ」と店主のおじさんはつれない返事。お昼近くになると完売しがちなので、「今日は売り切れですか?」と問い重ねると、「もうつくる気は無いよ!」と手を払い、顔をしかめる。創作意欲を急速に失う何かがあったのかな? しかし、過去に盛夏の時期はあんが傷むからつくらないと断言しながら、翌週に「やっぱり欲しがるお客さんがたくさんいるからね」と販売再開した履歴があるおじさん。言葉の真偽は静観が必要ですが、内心はかなり落胆して、代わりのおはぎをリュックに詰め、坂道に挑む。この日は心配もあって足取りがとても重かった。どうか茶饅頭が復活しますように!

SIGMA DP3MERRILL