2016年10月4日火曜日

町の中華


久しぶりに「BRUTUS」。購入したのは、町になじみ、親しまれる中華食堂の料理写真に惹かれたから。掲載されるのは技術を研鑽した写真家が三脚を立て、きちんとライティングをしたものだけど、ピントの合う幅やアングルなど、ふだんの趣味としてのテーブルフォトをいい感じにスナップするための名ヒントが、たくさんちりばめられている。


とくに新宿御苑前「随園別館 新宿本店」の「野菜の五目炒め卵焼きかけ」を写した一枚にイチコロ。オナッターズの『恋のバッキン』を作詞し、タモリ倶楽部の構成をつとめ、「廃盤アワー」に出演していた佐々木勝俊さんに「冷やし中華ならここ!」と連れて行っていただいたこともある一軒。近々に再訪し、ビンビンな写真を撮らせてもらおう。



週末には町の中華を無性に食べたくなって、地元の「栄興苑」へ。いつも笑顔と感謝の言葉を絶やさぬ店主が温かく迎えてくれる。こんなに人柄のよい飲食店店主にはいまだ会えていない。主人のおだやかさをそのまま映した、やさしい味がいい。


体調ももとに戻りつつあるようで、定休日は以前と同じ水曜・木曜のみに。麺類など汁もの以外、テイクアウトも可能と、この日に知り、今度はそのパターンも楽しんでみようと、満腹になって店をあとに。どこの町にもありそうな、ごくふつうの存在。けれど、ぼくらの日常には、まことに使い勝手のよい貴重な一軒なのです。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm / f1.4 ASPH.