2017年2月27日月曜日

残りの福


本日2月27日(月曜)まで延期された、鎌倉「もやい工藝」での「小鹿田焼展」。会期中、最後の週末に2日連続で足を運びました。


葉山からビーチづたいに、春霞の海景を観ながら佐助の谷戸へ。往復20kmのスロージョギング行。情趣ある季節の花で彩られる店内も、春一色の温かみに満ちあふれていました。


おっ、気になっていた坂本浩二さんの筒花瓶も残っている! 3種あるうち、好みのものを選択(何を選び、どう使うのかは明日、報告しますね)。


スタッフOさんと李朝面取の蓋が小鹿田焼、柳瀬朝夫さんの薬味入れ壺に酷似していると話が及んだとき「ああ、あれですね」とOさんが棚を指し示す。飴釉掛け流し、かたちの風情が柳瀬朝夫さんの人そのものを物語るような、小さな壺。まだ、こんなに佳いものが買われていなかったのかと驚く。同時に、すっとこの佳いものを感得できなかった自分の眼に落胆。ありがちなことですが、残りものには、やはり福があったようです。手のひらに載るサイズでも、つくりの佳さ、かたちの力強さは両腕で抱える大きな壺と変わらない。


いただいて、家の面取壺に並べて飾ることにしました。きっちりとした熟練の仕事のなかにも、どこかのびやかな余地を残している。2つのものの工人、美意識、技工、時代がシンクロする不思議な既視感を覚えました。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4
SIGMA DP3 MERRILL