2017年3月29日水曜日

大西みつぐさん写真展「川の流れる町で」


築地のふげん社で写真家・大西みつぐさんの写真展を4月8日まで催しています。深川に生まれ育ち、江東区の運河や川を中心に、流域の町や人を撮りつづけてきた大西さん。水都の情趣に魅了されている自分としては、そのライフワークに強く惹かれます。大西さんが監督をつとめた映画『小名木川物語』はいま、いちばん観たい映像作品。地域住民にまず披露したいと、撮影した江東区での公開を重視し、区内の会場ですでに初上映をして、2回目の4月9日も満席。ぼんやりしていたら、チケットの予約を逃してしまい、とても後悔しています。3回目の上映告知を心待ちにしつつ、作品の世界に没入できるよう、撮影の舞台となった小名木川をはじめ、江東区の小さな運河をこれからクルーズしてきます。


会場に展示されていた大西さんの私物地図。旅行ガイドを制作する仕事柄、しじゅう、より見やすく楽しい地図づくりのことばかりを考えていますが、このポケットサイズの東京都地図の佇まいには、目と心をぐっとつかまれてしまいました。装幀と地図の色合い、江東区を縦横無尽に走る運河、隅田川と荒川の存在と位置関係をひとめで俯瞰できるコンパクトさが佳い! これはちょっと古い出版物のようですが、情報は古くなっても、物としての魅力は少しも枯れていない。地図を見つめる少年のミニチュア人形も含めて、こんな素敵にディスプレイに活用する、大西さんの洒落心から人柄とセンスが伝わってきます。ご本人にますますお会いしたくなりました。願いがかなうよう、強く念じてみよう。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH.