2017年7月13日木曜日

リーチ先生


遅ればせながら『リーチ先生』を読み始める。小説は基本的に好みではないけれど、この本は別。リーチの英国人気質、美を感得する眼、清らかな心。ページをめくるごとに感銘を受けて、じっくり味わいながら読み進みたいと思う。冒頭のシーンで、小鹿田を訪れたリーチ先生をお世話する少年は名陶工・坂本茂木さんがモデルというのも、民藝ファンにはたまらない設定。リーチというアーティストが陶芸に目覚めていく過程、柳宗悦とリーチの関係、柳が傾倒した白樺派について、原田マハさんは平易な言葉で教えてくれる。


自作の革カバーに包み、茂木さんがリーチ先生からかたちと技法を伝授されたピッチャーをそばに置いて読む。英国の美意識と小鹿田の伝統が融合した場面を想像し、胸が熱くなる。まだ、半分ほどしか読んでいない。これからの展開が楽しみ。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4