上質なシルクのサリー生地を継ぎはぎしたショール、カトマンズに暮らしていたイタリア人文化人類学者がつくった革鞄、ジャイプールの特製弁当箱・・・。日々、ぼくが愛用するものは、「CHAHAT」の大竹さんが異国を旅し、人脈を構築し、カスタムオーダーしたものばかり。それらはどれも好きな物への深い情愛を感じとれる。その個人の嗜好や想いに惹かれるから、ぼくは自然と身にまとい、日常的に使いたくなるのだろう。先日は大竹さんがプライベートでも通う、逗子「BEACH MUFFIN」で南インドの手織布を販売していた。ひとり夜遅くまでヨロッコビールを呑みつつ、店頭に立つ大竹さんに質問のメッセージを送ると、いつものようにすぐさま誠実な答えを返してくれた。それで、大磯での撮影帰りにかさばる機材を背負いながら立ち寄ることにした。
ずっと探していたテイストの黒い布。無地ではなく、かすかに四角い文様が浮かんでいる。「これは村人が各工程を事細かに分業して、みんなで織ったものなんですよ」と、どことなくぬくもりある布の特徴を尋ねると、大竹さんが説明してくれた。雰囲気よく物撮りをしたいときに、これからはこの布を活用することにしよう。この日はスクーターで移動したので、店内のタップルームでクラフトビールに心酔することができなかった。年内に再訪し、ヴィーガン料理を肴に、幸福な夜を過ごしたい。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4

