30数年前、オーストラリア・シドニーのレストランで呑んだ安ワインの感銘が記憶に残っている。父が馴染みのスーパーから持参したのは、ミネラルウォーターに近い値段の、大容量紙パックの赤ワイン。ワインが安価に紙パックで売られていること自体に当時は驚いた。地場産のワインが佳いものなのか、よくわからなかったけれど、自分には普通においしく思えるワインが水感覚で気安く呑める。その風土と文化に豊かさを感じ、憧れた。
先日、近所のセブンイレブンで、税込408円の値に惹かれて手に取ったチリワインは自分には心地よく酔えた。化学薬品の違和感が希薄の、すっきりした味わい。ぼくの日常では十分に満足できる一本だろう。日本もようやく30数年前の異国文化に追いついてきたのだろうか。2017年の年末にデイリーワイン新時代の到来を予感でき、明るい気持ちになれた。
SIGMA DP3 MERRILL 75mm f/2.8
