28日まで鎌倉「もやい工藝」で開催の『あったか展』。ほぼ毎年、足を運んでいたのに、今年はかなり出遅れてしまった。
それでも、こんな佳い物がまだ、と意外に思う逸品が並んでいる。僕は湯町窯の黄色い器が大好きだ。ちょっと前に、ずっと愛用していた黄色い来待釉のマグカップを割ってしまったが、今回運よく、嫌味のない「しのぎ文様」のカップと出合うことができた。合わせて面取の黄色い湯呑みもいただいた。写真後ろにあるのは昨年、この展示会で入手した飴釉のぐい呑み(これはスペインの物だったかな?)。どちらの色味も寒い時季に使うと、暖かな心地になれる。
手仕事フォーラムの会報誌「SILTA」で久野恵一さんの追悼特集が組まれたとき、僕は表紙用写真を選んだ。恵一さんが南房総で大きなカゴを仕入れ、車に運ぶ後姿をとらえたもの。その写真を見た福間琇士さんから「佳い写真だね」とわざわざ電話がかかってきたという。琇士さんの父、貴士さんは油絵を愛好する人だったと聞くが、その才覚を継いでいる琇士さんが地味な写真に感応し、撮影者の意図を読み取ってくれたことに、とても感激した。貴士さんの絵画に着目し、湯町窯を訪ねた牧野伊三夫さんは著書で、画家としての貴士さんに言及しているようだ。琇士さんが焼いた黄色いマグカップでコーヒーを呑みながら琇士さんの父がどんな人だったのか、想いを馳せてみよう。
LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm f/4


