2018年8月21日火曜日

5PIECES



表参道「SOLAKZADE」岡本兄弟の仕事を紹介する原稿を納める。求道者の言葉は哲学的で深い。意訳に転ばす、適切に記述できただろうか。「たびこふれ」での記事公開は少し先。



アメリカン・オプティカル社の貴重な資料とともに見せてもらった、1930年代のリムレスフレームに心奪われた。ミニマルに削ぎ落とされ、ネジが剥き出しの武骨な佇まい、それでいてファンクショナルな凝った構造。かつて豊かだったアメリカ以外では創造されないであろう、工業製品としての物の格好よさに痺れた。



のちに空軍からの要請で「レイバン」を立ち上げるボシュ&ロム社の製品。鼻に掛けるブリッジ部が5つのパーツで構成され、顔の細かな動きにしなやかに応じ、極上の心地をもたらす。この極めて複雑な仕組みの大量生産を、当時のアメリカは国策として取り組んだという。眼鏡は両眼の間隔がフィットするかどうか重要なのだが、困ったことに、試しに掛けてみたら誂えたようにぴったりだった(笑)。あえて厚みを出した光学ガラスがこのフレームにはふさわしい。そのガラスを岡本さんたちは手磨きで雰囲気を出しつつ成形する。僕が使うとしたら、ガラスは無難なオーバル型か、あるいは冒険してオクタゴン型にしてもらうかなんて、夢みている。

LEICA ME