Aberia & Siberia
葛飾区の水元公園で、夕暮れ時にポプラ並木を撮影していたときのこと。尊敬する金町のおじさん、「花の写真館」館長・松山忠徳さんがふと、つぶやいた。
足元に咲き誇るアベリアの花を指して「僕はこの花を見ると、大好物のシベリアを思い出しちゃうんだよねー」と。年中咲く、花期の長い種であるという説明までは覚えているのだが、連想の理由は失念してしまった。野暮を避ける松山さんのことだから、単なるダジャレではなく、詩的な深い意味と情緒がたとえの背景にあるように思えるのだが・・・。
「大好き」というひとことが頭に残り、後日、僕も大まではいかないが、好みの「シベリア」を食べたくなった。さいわい、築地の仕事場近くには早朝から年中無休で開いている「築地木村家ペストリーショップ 本店」があり、常時、「シベリア」を置いている。朝ごはんにいただき、しっかり甘い漉し餡とふんわりとした生地の調和を味わいながら、松山さんが惹かれる理由を想像した。
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