葉山町堀内の路地を抜けて真名瀬の渚に出る直前、丘づたいに家へ戻ることを思いつく。三ヶ丘(大峰山)は、近所の人が犬の散歩に往来する丘陵地。気軽に歩ける小山とはいえ、真名瀬側から上ると、はじめに444段の急な階段が延々と続き、息がきれる。
ふかふかのよく整備された道には温暖な光が差し、雨のあともぬかるむことなく、心地いい感触を感じながら歩を進められる。
御用邸と一色海岸が見える、この木々の下に僕の家は立っている。隙間から屋根の一部が見え、命綱を留めながら、駆け下りたい衝動にかられる。
LEICA M-E , 7ARTISANS 28mm f1.4