築地の蕎麦店「長生庵」2代目、身体に優しい食と酒の探求者、そうさんに勧められ、場外で自然ワインと活き活きした食材を厳選して扱う「酒美土場」に寄る。
木・金・土曜の夜は角打ちにもなることを多くに周知されていないようだ。外国人観光客が帰り、がらんとした市場に漏れ出る光。そのひそやかな有り様に強く惹かれる。
この晩いただいた一杯は滋賀、ヒトミワイナリーのオレンジワイン。スルスルと身体に沁み入ってくる。軽やかなのに、余韻はじんわりと長く、はじめてのおいしさに感じ入る。そんな種類のワインがあることを教わりながら急速に、日本のワイン造りに革新が起きていることを知る。グラスの形状で香りと味がまるで変わるとよく聞くが、その具体的な理由もさっと示された。たった一杯でワインの真理と時流に触れる深い体験をした。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f1.4