2019年4月15日月曜日
yukinoshita to jomyoji
鶴岡八幡宮へ伸びる若宮大路から雪ノ下の路地に入り、安堵しつつ二階堂方面へ抜ける。
境内の石畳に落ちる影に見とれ足が止まる。こんな景色の愛で方は歩かないとできない。
セブンチェアが外観のアクセントになっている店。力の抜けた、いい雰囲気。
手製の取っ手だろうか。木肌の風情ともども、かたちに惹かれる。
整えすぎない植生と木造家屋の共生。これぞ鎌倉民家の味わいだと思う。
滑川に掛かる葉桜と流れる花びら。強い光に照らされる風雅。
住宅地そばを鯉が泳ぐ。ゴミが落ちていないのが地域の品位ある暮らしを物語る。
浄明寺を目指したのは「sawvih」でくつろぎたかったから。雪ノ下界隈から所要約30分。歩道は狭いが、歩いてのアクセスが意外に楽だった。散歩にちょうどよい距離感。浄明寺の緑豊かな住宅地の小道では、その最奥にある端正な空間に向かう高揚感で気持ちが高ぶっていく。設計は湘南の光と風を知り尽くした佐賀高橋設計室。ターザンこと故・佐賀和光さんのアトリエを引き継いだ高橋正彦さんは人柄が良く、とても相談しやすいと店主、寺坂さんは言う。バターナイフを作るワークショップも「sawvih」で開かれているそう。
寺坂さんがカナダで入手した機械式時計が入り口そばに置かれていた。その渋い選択に、美意識と確かな審美眼を感じる。衣食住、長く愛せるものを、空間で提唱している。
白い壁に交差する直線の妙。どこを切り撮っても絵になる。
日本の家電には気に入るデザインが無いと思いながら、選んだのが三菱のエアコン。じつは多湿で潮風の吹く湘南では三菱の室外機は飛び抜けて耐久性に優れる。そんな事実を知らずとも、ベストのチョイスをできるところが、生まれ持ったセンスなのだろう。
裏の竹林から差すスポット光。こうした自然光の採りように建築家の本質が表れる。ワークショップ参加者やカフェ利用者はこの中庭を通って奥の部屋へ移動する。茶室で過ごすように浄明寺の風光をおのずと体感できる動線。
エスプレッソ好きな寺坂さんが選んだのはイタリア、ロケット社のマシン。格好いい!
オーダーしたのは『甘糀ラテ』と、寺坂さんの弟が営む福井の糀屋さんから送られてくる『農家のレアチーズ』。どちらも自家製の甘糀を使用しているという。
身体が悦ぶおいしさ。こんどは妻にも味わってもらおう。
高い縫製技術で作られるmade in 岡山のオリジナルワークパンツも販売。深いポケットを備えて機能的にも優れる一着。明治生まれの祖父がよくアメリカで買ってきていた、一昔前の無骨なリーバイス501を洗練させた風合い。長く愛着をもてそう。欲しいなぁ。
SIGMA DP3 MERRILL 75mm