僕は重度のコーヒージャンキーだ。仕事のかたわらにある500mLのサーモカップはコンビニのコーヒー粉で淹れた琥珀の液体で一日に二度満たされ、ハリウッド映画の刑事よろしく、すっかり酸化したもので喉を潤す。蛍光灯のもと、PCなどの機械音に包まれ心は休まることがない。それが僕の日常。
だから、昼休みはときどき仕事場からほど近い木挽町「盆源珈琲」で10数分間憩う。ていねいに落とした一杯。往復約10分の移動も含めて気分がリセットできる。引き算を極めた空間から外を眺めているうち滋養が身体に沁みわたっていく。「コーヒーブレイクは大切ですね」と言う、編集者・岡本 仁さんが家ではコーヒーを飲まないという理由が実感としてよくわかる。淀んだ心を一新するには非日常空間に身を置くことも重要なのだ。
LEICA M-E , SUMMILUX 50mm ASPH. f1.4