2019年5月8日水曜日

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いちばん読みやすい文体と感じている岡本 仁さんの最新著書を一日で読了。どこをどう歩き、どう撮るか委ねられた『暮らしの手帖』連載をまとめたもの。物、食、景色。岡本さんの心眼が感応したものが昂ぶりを抑えつつ綴られ、日本各地を旅したくなる。担当編集者の指示だろうか、iPhoneでスナップした写真は岡本さんの好む正方形ではなく、すべて縦位置のiPhone標準フォーマット。そのぶん、散歩する者の心の動きが自然と伝わってくる。もちろん、その構図と視点はなかなか真似できない独自のものだが。



嗜好が異なるから、買い物と飲食、目指す店も変わってくるはず。その違いを確かめるために、岡本さんが惹かれた地域をうろうろしてみたい。自身が撮影者となる取材紀行。雑誌を主とする優れた編集者がテーマを設けて何にフォーカスを当て、誌面構成のためにどのような素材を集めてくるのか。頭のなかを覗くような一冊。手触りが心地いいfourruofのカバーに包み、マットコート用紙のページをめくる快楽を堪能した。

LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm f4

岡本さんと『芸術家たち 建築とデザインの巨匠 編』 (オークラ出版)を著したばかりの河内タカさんがイームズとイサムノグチについて語り合うトークイベントがGINZA SIXの蔦屋書店にて開催される。2つの疑問を岡本さんに尋ねたくて参加する予定。