仕事場で深川伊勢屋の『水大福』を味わい、やわらかな餅を包んだ笹の葉の情趣に魅せられる。ああそうだと、夜はATELIER MUJI GINZA Loungeで発売中のMUJI特装版『包(つつむ):日本の伝統パッケージ、その原点とデザイン』を読みに行き、包む手の動きを筆で描いた墨絵ページに見入った。
1階の小屋。この無垢な素材感がたまらない。僕の家もこうした武骨な小屋を目指して鎌倉の森 博さんに設計してもらった。
剥き出しの配線、配管。天井の様子も我が家と同じで、ホッと眼と心がなごめる空間。
6階のATELIER MUJI GINZA Gallery1では木と鉄を曲げた椅子をさまざまな角度から構造のディテイルを観ることができる。
実用と装飾の融合。寝椅子好きの自分としては、まずは優美なロッキング式シェーズロング『No.7500』(ゲブリューダー・トーネット社 1876年)に眼がいく。
脚の一本で結び目をつくるという驚くべき技術。
編組品好きの自分としては、藤の編み目も凝視してしまう。
ブナにアルミニウムを組み合わせた郵便貯金局のためのチェア『No.6516』。117年前にウィーンではこんなモダンな椅子を生み出していた。なんという壮麗さ。かなわない。このフロアにあるMUJI HOTELのサロンは深夜2時まで営業。しかもSUICAなどICカードでも支払い可。来週はここで名作椅子を肴に呑もうかな。
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8