2019年8月13日火曜日

NOTE




暑い夏はカレーのスパイス効果で健やかに過ごしたい。というわけで、グラフィック、エディトリアル・デザイナー、宮崎希沙さんが10年間に及びカレーを食べ歩いた日記『CURRY NOTE SUPER DELUXE』を店探索の参考にしようと買いに行く。個人嗜好全面の文章、新書版の分厚く、同時に軽やかな装丁が洒落心満載で素晴らしい。さまざまな小商いの店で個性的な関連アイテムと合わせて販売する遊び心にも、ニヤリとしてしまう。どうせならと、新宿御苑そばで個人制作のZINEを扱う独立書店「模索舎」にて、URBAN SAFARI特製のチーズナン型マグネットとセットで入手した。ひとつひとつが大きさも、かたちもまちまちで値段が違う。ふつうのナン型も、ブローチもある。それらから悩みながら選ぶ愉快な買い物。この特別限定版は1,900円前後。なぜか本単体で平積みする場とは離れた入り口近くで売られている。店主の風貌も、陳列手法も、商いの精神もヒッピーな店。忘れがたいショッピング体験となるだろう。



となれば、模索舎2階の「草枕」でカレーランチという必然な流れになる。宮崎さんのインスタグラムによれば「草枕に行く」と申告すれば、レシートの裏に店の社判を押してくれ、それを持参することでカレーのトッピングが無料になるというひそやかさがたまらなくマニアック!  草枕は個人的に都内でいちばん身体が悦ぶスパイス使いの一軒だと思うが、宮崎さんも最も足を運んでいるカレー店とのこと。それにしても、店内に満ちあふれる多幸感が凄いと毎度感嘆する。食べる人、作る人の満足が共鳴して、ここにしかない穏やかな空気が流れている。ちなみに草枕は会計時にラッシーの無料サービス券をもらえる。つまり一度利用すれば永遠にラッシーがタダで飲める幸せのループに虜(とりこ)まれていく。新宿の食、最高だ。

LEICA M-E , SUMMILUX 50mm ASPH. / f1.4