2019年9月10日火曜日

candle



台風直撃の影響で1日半、停電を体験し、今も復旧の見通しがたっていない。町内でも一部家屋の電気不通。近所のあの家は大丈夫なのに、なぜ?という疎外感、言いようのない不安にさいなまれた。ただ、ふだんからテレビをあまり観ないし、クーラーはそもそもない。冷水風呂も厭わないし、間接光のほのかな灯りで暮らしている。スマホはLEAFで充電できる。冷静になれば、不便は冷蔵庫が使えないことくらいかと思い直す。しかも、パナソニックの冷蔵庫は箱自体が1日経っても氷も解けないほど断熱性能に優れ、冷蔵・冷凍食品も傷まずに済んでいる。少し気が楽になり、豊富にストックしているキャンドルやデンマークのオイルランプを灯し、秋虫の声に包まれながら食事と酒を愉しんだ。



さいわい断水はまぬがれ、水は出る。小田原・桶辰の青森ヒバ製風呂に水を溜め、ガスコンロで温めた湯を足すと、火照る身体を心地よくクールダウンできた。江戸時代の大工が自分のためにつくったという燭台に和ろうそくを灯して、LED電球にはとうてい興せない炎色の情趣に酔い水浴。江戸っ子はこんなふうに闇を愛でていたのだろうか。

※江戸の灯りは菜種油に木綿の裂き布。その方法は北鎌倉の山田海人さんが解説。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4