線路や架線、信号電流の状態を検査しながら走行するドクターイエローこと黄色い新幹線。JRは運行スケジュールと走行区間を公表していないため、眼にできたら幸せになれると言われるほど珍しい存在です。知識はもちろん、リサーチに注力する熱量が乏しい自分にはずっと出会えないかもしれないと諦めかけていました。ところが幸運にも偶然、MacUserJPさんのHPに行き着き、過去のスケジュールとパターンから割り出された運行予測情報を入手。予測通りに先日、東京駅の19番線ホームに行くと、電光掲示板が次に乗車不可な「回送983」が来ると案内。この900番台の回送列車こそドクターイエローなのだそうです。それで遭遇に確信を得て、いよいよ!と興奮はマックスに。こんなに胸が高まるのは久しぶりでした。
平日ということもあってか、到着を待つのは子連れの若いお母さんの姿が目立ち、「今日は動画で撮る? それとも写真にする?」なんて子供に聞く、余裕のお母さんもいます。そんなほのぼのした空気が漂うホームにドクターイエローが入ってきたとき歓声を挙げたくなりました。黄色い車体はものすごいオーラを発しています。その気に触れた人の悦びが響き合うのか、増幅する幸せの感情に確かに包まれた気がしました。
10分間停車して、やがてライトを点灯。レモンイエローの表情が精悍となり、格好よさに痺れます。この美しいものへと導いてくれたMacUserJPさんに深謝です。
嬉しさのあまり、東京駅からJR東海の大井車両基地まで足を伸ばしました。20年ぶりに水辺を走る東京モノレールに揺られ、大井競馬場前駅へ。秋晴れの昼さがりに運河の風景を眺め、さらなる悦びに近づいていきます。ワクワクと、気分は大人の遠足です。
改札を出てまっすぐ10分ほど歩けば新幹線がずらりと並ぶ基地に到着。運行時以外はここに待機するドクターイエローをほぼ確実に観られるようです。なんと時には2両いっぺんに。先ほど博多へ向かう1両を見送りしましたので、この日は1両だけ停車。「やったー!」と歓喜しつつ、基地の線路に架かる橋に行くと、歩道脇にステンレスのガードが巡らされ、わずか直径数センチの孔や接合部の隙間からしか車庫内のドクターイエローを撮れません(ほかの新幹線と並んで停車する場合は、反対側の歩道でガードが途切れている箇所にて真横のアングルから見ることができます)。
携えた180mm相当望遠レンズ付きマイクロフォーサイスカメラの使用は即座に諦め、iPhone11 proの小さなレンズを孔や隙間に当てがいスナップ。
標準の広角26mm相当レンズですと、孔や隙間の一部が映りこみます。これはこれで味があると思うのですが、望遠52mm相当レンズに切り替えて、さらにズームしていくと・・・。
おーっ、こんなにもアップにできちゃう。撮影データを確認すると183mm相当。厳しい条件をするりとくぐり抜け、納屋でくつろぐ愛らしい姿を撮れたのでした。最新iPhoneに替えておいて良かった! この場所はMacUserJPさんの情報をまた頼りに、2両ともお休みの日に再訪しよう。すっかり魅了され、すぐさま、apple watchの画面に幸せの黄色い新幹線写真を取りこみました。
iPhone 11 pro (TOPの電光掲示板と大井車両基地の写真)
LUMIX GF1 , MACRO ELMAR90mm×2(180mm) / f4