山北町からの帰路。国道1号・親木橋の交差点を曲がれば、まっすぐ海岸沿いに葉山まで戻れる。道程のターニングポイントという受け留めが作用するのか、この交差点に差し掛かると安堵する。そばに流れるのが森戸川という葉山の川と同名なのにも、親しみや縁を感じる。交差点近くでは、いつも駐車場が満車な人気店が眼に入る。「オロチョンラーメン・酒処・味彩(あじさい)」である。
たまたま、通りかかったのが夜の開店直後だったタイミングもあり、すんなりと店に入ることができた。ラーメンは塩、味噌、醤油の3種。唐辛子の量を7段階で指定できる。
妻も僕も辛いのがOKだから、辛さ30倍ランクを選んだ。具も麺もスープもたっぷり。辛いものの、自然由来のマイルドさで身体を気遣う店主の品格を感じる。汗かき、はふはふ言いながら平らげ大満足。
じつはラーメンが運ばれてくる前、サイドディッシュでお勧めという鶏の唐揚げも注文していた。「酒処」の文字に直感が走り、きっと旨いはずと踏んだから。その一皿が運ばれてきて驚嘆。ものすごいボリュームなのだ。柔らかい鶏肉を絶妙なあんばいで揚げた逸品。夢中にパクつきつつ果たしてラーメンまでお腹に収まるか心配になった。いつかは電車で来よう。お酒といくつかの肴、締めにラーメンという幸福を味わいたいから。葉山周辺にもこんな佳い店があったら、いいのに。国府津が一晩で大好きな町になった。
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8