2019年9月27日金曜日

shinbashi / shimbashi



Twitterで「新橋駅前ビル壱号館が意外にもモダンな建物であることに気づいた」という投稿があり、朝の通勤途中、このビルを見上げた。なるほど、確かに交差する直線が格好いい。毎日、眼にしているはずなのに、意識しなかった。地域に溶けこみ、洗練の美をさりげなく秘めている。そこに設計者・佐藤武夫さん独自の粋と意識を感じた。僕が生まれた翌年、1966年の竣工。「ビーフン東」や「カフェテラス・ポンヌフ」、「パーラーキムラヤ」、「巴里 小川軒」。テナントで入る数々の気取らぬ名店の賑わいのなかでくつろぎ、お腹を幸せに満たし、このビルのハイカラさを味わえる。今の東京では稀少なレトロ空間かもしれない。



ときどき、築地の仕事場から新橋駅まで歩いて行く。お気に入りはソニー通りを経てまっすぐ駅に向かうルート。艶やかな銀座エルメスと出勤途中の蝶を眺め、暗がりを進む。昔ながらの銀座の路地だと思う。iPhone11 proに機種変更してからは、0.5倍超広角レンズで陰影をスナップする愉しみが増えた。



帰りにも駅前ビルを改めて観る。iPhone 11proは驚くほど夜のシーンを明るく撮れる。手持ちでも全然ブレていない。夜の取材ではもっぱら頼りにすることになるだろう。それにしても、13mmの超広角レンズで開放値f2.4って圧巻。







上が超高精細デジタルカメラDP3 MERRILL、下がiPhone11 pro 2倍望遠レンズで撮影。
上の方がより肉眼に近い明るさなのだが、後者は見た目以上に絵が華やかになる。何より感心するのは細部の描写。iPhone11 proの写真は「横浜」の文字がはっきりと読み取れる(DP3は手持ちゆえに若干ブレてしまっている)。ポケットから取り出して、ささっと撮り、この表現力。呆れるばかりの進化ぶりだ。
ところで、恥ずかしながら、新橋の駅名はローマ字では「shimbashi」と表記されていることに今日、気づいた。道路標識では「shinbashi」。ローマ字・ヘボン式でも、駅名と道路標識では使い分けられていたのだ。日常で無知のままでいることって、意外に身近にあるものですね。

iPhone11pro 13mm / f2.4 & 52mm / f2.0
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8
LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm / f4