みなかみ町の湯宿温泉。そのひなびた風情が心地よく、ひと夏に二度も湯治に行く。二度めは着くなり、町内の共同浴場をいただく。無料休憩所に集う住民に利用のルールを尋ねると、湯温が熱いから水で調整するようにと、やりかたを教えてくれた。蛇口から吹き出る水が滝のごとし。これは暗示だったと、後でわかる。
宿はまた、大滝屋旅館。適度な広さ、清潔な部屋、家の風呂のようにくつろげる温泉浴室、とてもおいしいご飯。最高に気に入っている。翌朝、部屋から聞こえる水の音をたどって裏山に入ると、まもなく大滝が現れた。旅館の由来を知ると同時に、暮らしのすぐそばに滝が流れる環境に驚いた。
さらに上ると、地域で崇められる薬師如来に行き着いた。豊かな緑に佇む静かな様子に心休まる。トレイルはさらに続き、自宅の裏山と同じ名の大峰山につながっているようだ。何かの縁と思いつつ、低山散策は次の楽しみとした。
つづく
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4
ELMARIT28mm 4th / f2.8