毎年、1月に催している葉山一色海岸アート展。僕も参加する表現者のひとりだから、「催される」という受動形ではなく、能動形。公の場では、基本的に一歩退いた影の存在である編集者としては、珍しい機会を与えてもらっている。
手ぬぐい作家、イラストレーター、銅版画家、写真家、和菓子創作家、水彩・油彩画家、造形作家、漆工芸家、そして編集者など町内に暮らすアーティストが集まり、方向性を再確認。
集いの場は葉山御用邸の敷地の一部だった「葉山しおさい公園」。ここで大正天皇が崩御し、昭和の年号が始まった所。メインの展示場所となる「しおさい博物館」のほか、園内の新たな場での愉しみな展開があるかもしれない。
静養中の陛下がお茶を飲みに来ていたという六角堂で打ち合わせ。六方が濃緑の庭園に開かれ、松林を抜けた潮風が頬を優しく撫でる。居るだけで心休まる特別な空間で顔を合せられるのが幸せ。葉山一色の住民でよかったと心底思える。
地名にちなんで、一色(カラー)でローカルの風光明媚を伝えてみようかなと、思い浮かべたら、博物館で展示中の書物が眼に入る。この偶然は導きなのだろう。「多彩が一色に溶ける」。松の葉のように、思案⇒シアン(青)⇒一色とおぼろげな着想が広がり、固まってきた(笑)。
SIGMA DP3 MERRILL75mm / f2.8
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