ガツンと元気をもらおうと三浦市「讃々舎」に行く。店主、高梨武晃さんが選び集めた物は骨格ある、健やかなかたちばかり。観ると活力で心が満たされる。
容量2リットルもの伊賀信楽・薬土瓶。これで沸かす湯で煎れる珈琲はさぞまろやかな味になるだろう。緑青浮く持ち手が無骨。たまらない。
おおらかで骨太。さっと描いた絵が佳い。これほどの仕事ができる人は限られている。が、銘に頼らず、パッと直観で選べるか。武晃さんはそれができる。
骨格ある物には腑抜けた自分の頰をピシャリと叩かれ、背筋が伸びる。おおらかだけど、凛とした筋が通っている。FORMEよりSHAPEの語感がふさわしい。ほどよい緊張感漂う道具だから、創作に集中する仕事のそばに置き使いたい。帰り際、ふと武晃さんが手にした土瓶は無銘な壺屋時代のJ.K作と思われるもの。骨格とは対照的、自由奔放な景色になごむ。最後に緩やかなデザートをアドリブで差し出してくる武晃さんが心憎い。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4