2019年10月30日水曜日

YP



昨晩はリソグラフについてより知りたくて南大塚の「ひらけ! ガリ版発信基地」を再訪。理解速度が遅い自分は、公私ともども、最低3度現場に足を運ぶことを基本スタイルにしている。それで物事のおぼろげな輪郭にようやく焦点が合う感覚がある。今回は基地に貼られるgoogle mapにある「千成もなか本舗」を題材にしたデータを持ちこんだ。



縁起のよい千成瓢箪をモチーフにした『千成五色もなか』が看板商品。5色のうち、ピンク色の梅餡味を主題に、イエローと蛍光ピンクの2色で刷ろうと考えた。



年中無休で店頭に立つ、穏やかな笑顔が素敵な女性スタッフ。その肌色と背後の暖色系ランプの灯りをイエロー、『千成もなか・ピンク』と千成モナカのゴシック文字に蛍光ピンクのインクを載せようとラフスケッチを描く。



本来はお客さん本位の、とても控えめな女性なのに、無理を言って、モデルになっていただく。感謝の言葉しかない。受けてくださるか数日前からドキドキしていた。



イエローと蛍光ピンクに置き換えるマゼンタの2版に分版してデータ化。基地でHand Saw Pressの菅野(カンノ)さんに印刷に耐えるか確認してもらう。「うーん、ちょっと濃いけど、大丈夫かな」という言葉に安堵しつつ、リソグラフとの相性を再考。次回はよりよくマッチするデータに整えなくちゃ。僕の場合は失敗を重ねて習熟していくしかない。この写真でいえば、肌と暖簾の色合いが濃く、コントラストが強すぎるのだ。明度を高く、コントラストを抑えて調整というのがポイントとみた。



まずは蛍光ピンクのインクをセットして試し刷り。



うーん、やっぱり全体に濃すぎるかなぁ。



次にイエローのインクをセット。このヴィヴィットな色調がリソグラフの魅力。



イエローに蛍光ピンクを重ねるも、想像以上にピンクが際立たない。難しい!



刷ったものを基地そばの店へ。贈呈しつつ記念写真。また、南大塚に行こうと、笑顔に心休まる。凛として美しい。僕もこんなふうに歳を重ねたいな。リソグラフの縁に深謝。

SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8
LEICA M-E, SUMMILUX50mm ASPH. / f2.8