2019年11月26日火曜日

kouji




鎌倉浄明寺「sawvih」では、ほかのお客さんがいないときは、店主・寺坂さんと長時間おしゃべりする。嗜好が近く、自分にはないセンスをもつ人の深い領域をより知りたいと願うと、つい饒舌になってしまうのだ。この日はかつてカナダで暮らしていた寺坂さんのプロフィールを掘り下げて伺った。そして、無農薬の米を自ら栽培するところから始まる、日本唯一の糀屋さんを継いだ弟さんが作るスイーツについても。ここで提供しているコーヒーやスイーツには甘糀や米粉など、自家栽培の素材で作られたものだ。




『甘糀のラテ』。甘糀の優しい甘味が身体に沁みる。コーヒー豆は「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」の堀内マスターに依頼したスペシャルブレンド。



『大豆のティラミス』。「里のほほえみ」という品種の大豆を蒸し、ペーストにしてマスカルポーネチーズと合わせたもの。真ん中にはオレンジのママレード・ジュレと米粉100%で焼いたココアスポンジ。さらにラム酒で味付けしている。



本場イタリアのティラミスはチーズのお菓子の一種で、マスカルポーネチーズとオレンジリキュールを使ったケーキ。それがアメリカナイズされて生クリームとコーヒーリキュールのお菓子になり、日本に入ってきたのだとか。だから、これは正統ティラミスを糀屋としてアレンジした、身体に優しい大人のスイーツ。



モダンなペレットストーヴの柔らかな暖気に包まれ、互いに好きなミリタリー&ワークウエアのことを語る。寺坂さんの愛用するNOVESTAというスロヴァキアのシューズブランドについて教えてもらう。スロヴァキア軍のトレーニングシューズも手がけ、現在はスウェーデンで製造されているそう。幅は狭いが、幅広の足にも柔軟に素材が広がり、フィットするという。こういった情報はユーザーから直接聞くしかない。貴重な知識を得る。白色が佳いね。



ドイツで藍色に染められた中国人民服を着る寺坂さん。足元にはカナダ軍配給のドレッサーシューズが。将校が自分をよく見せるために履くものなんだって。細身のシルエットだけど、幅広の足にも合うっていうのがポイント。超幅広な足型のぼくは野暮ったいワークシューズばかり選んできたけれど、新たな選択肢を見出した気がする。



特別栽培米で製粉された米粉100%の『シュトーレン』。農業もおこなう寺坂さんの弟がスイーツ部門も立ち上げ、一から十まですべて責任をもって作っている。少し分けていただいたけど、とてもおいしかった。現在、予約受付中で一本税込2,200円。当然ながらぼくも予約したので、近々の「sawvih」再訪が楽しみ。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8