沖縄のやちむん(焼き物)でいちばん惹かれるのは、読谷村、北窯の松田共司(きょうし)さんがつくる器。骨格あるかたちと、奥さんが描く手らいのない文様。野趣と洗練のバランスが抜群で、どれも欲しくなる。先日は8寸(約25センチ)の葉紋(ようもん)皿を鎌倉「もやい工藝」で購入。北窯の窯出しに毎度、足を運ぶスタッフ、堀澤さんの注文品。茎の飴、葉の飴、コバルトと呉須、緑。華やかに5色の釉薬で彩られている。
登り窯で焼かれ、前方から火が強く当たる部分と、後方の弱い部分とで釉薬の溶け具合が異なる景色を一枚の皿で愉しめる。それが均一に焼けて色ムラのないガス窯との大きな違い。
強い完全燃焼の炎(酸化炎)で焼かれ荒々しい側と、
不完全燃焼の炎(還元炎)で焼かれた側。
緑色を見ると、よく違いがわかりますよと堀澤さん。強い火の側はくっきり鮮やか。
火が弱い方は緑が茶色っぽくくすむ。
居間に飾ると、サンゴ礁の海を想わせる美しく、明るいグリーンが冬の部屋をパッと明るい雰囲気にしてくれる。
今はもやい工藝店頭にディスプレイされている、共司さんの泥打ち大皿(径約40センチ)。いずれ手に入れようと未練を残し、年を越す。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8