10数年前に使っていたパナソニックのマイクロフォーサイス機。当時のように、このオールド・デジカメにアダプターを介してライカのレンズを装着してスナップを愉しんでいる。レンズとカメラの相性というものがあるとしたら、ライカと協働してレンズを開発してきたパナソニックはとても優れたマッチングをみせる。ライカレンズのもつ繊細なコントラスト、幅広い陰影のトーン、そして渋い色彩。それらの美点を柔和に表してくれる。
コントラストや彩度が高い写真は確かに映えるけれど、じっさいのシーンとはかけ離れている。ほどほどに日常をそのまま切り撮るのに、この両者はふさわしいように思う。それは頻繁に使う者だけがじんわりと実感できていくような、私的で曖昧な感覚なのかもしれない。写真家の新津保建秀さんもそう感じられていることに同志を得る喜びを覚えた。
平穏に品よく好きなものを描きたい。ライカM-Eはとことん修理して使い続けたいけれど、ライカ側が対応不可になったら、パナソニックのフルサイズ・マイクロフォーサイス機に替えようと考えている。もちろんオールドタイプでぐんと値が下がったものを、オークションなどで。ぼくはこのメーカー特有の堅牢さにも信頼を置いているのだ。
写真はすべて撮ったままの無加工。フィルムライクな湿度と穏やかなニュアンスを感じる描写にぼくは痺れる。下の2点はライツの『16469Y』をはさんでクローズアップした。
Panasonic GF-1 , MACRO ELMAR90mm / f4