スロージョギングのコース上、湘南国際村へと駆け上がる坂の途中で、おじさんが和菓子を売っている。豆大福、草餅、おはぎ、赤飯など、どれも素晴らしくおいしいけれど、いちばんの好物は大きな茶まんじゅう。これを目当てに立ち寄り、1個だけ求めてランニングの休憩時にほうばるのが何より楽しみだし、走ることを続けるモチベーションを保つうえで、たいせつな存在でした。ところが梅雨に入った先日、店頭からまんじゅうが消えた。おじさんに聞くと「秋になったら、またつくるよ」と素っ気ない返答。黒糖餡の保存と気温の上昇に関連があるのか、仕方ないなと、あっさりと立ち去りつつ、内心、とても動揺していました。それで、ここ数週間はおじさんの店を素通りしていたのですが、先週末、なんと茶まんじゅうが再び並んでいるのを目に留め、歓喜。聞けば、「いやぁ、欲しいって言う人がけっこういてさ。つくることにしたんだ」と。思わず「そうそう、ぼくも、秋まで食べられないのかと、とてもがっかりしていたんですよ」と本心を伝えました。よかった、よかった。
何か食べたくなるものがコース上になくなったら、ぼくのランニングは実にわびしいものになるし、いずれは走る意欲もなくなってしまうかもしれない。池波正太郎のように、散歩の延長でおいしいものを味わう愉しみを、ぼくはランに置き換えて見出していきたい。
茶まんじゅうの内部には、至福の餡がぎっしり。このボリュームが高い満足感につながります。 ぼくの場合、これくらいの、てんこ盛り具合でないと、なんか物足りなさを感じてしまうんですよねぇ。
SIGMA DP3 MERRILL
追伸:茶まんじゅうは人気なので、昼すぎには売り切れてしまうことも。11時くらいまでに店を目指すことをおすすめします。