現地で感得する光と空気、人、暮らし。真実はその場に立つことでつかめるもの。白夜書房時代の「NEUTRAL」からこの考えを貫徹し、緊張感をもって誌面づくりをしている旅雑誌「TRANSIT」。その制作の中心にいる、編集長・加藤直徳さんとアートディレクター尾原史和さんの対談を拝聴。「NEUTRAL」でイスラム特集を組んで10年経過し、状況はどのように変化しているのか、2015年版のイスラム特集を発行。特集の要点と、取材の裏話を1時間強、じっくりうかがう。治安悪化から再取材できなかったイエメンのこと、9.11以降の情報操作にも関わらず、イスラム教徒が増えている北米、10年前の分布図で省かれていた南米大陸のなかで、アルゼンチンにイスラム教徒が増えてきていることには驚きます。
とくに印象深かったのは、イスラムの人たちの優しさを語る言葉。ぼくが以前、ウズベキスタンを旅したときに、慈しみ深い家族に出会い、強く感銘を受けた体験と重なり、心から同感できました。
とくに印象深かったのは、イスラムの人たちの優しさを語る言葉。ぼくが以前、ウズベキスタンを旅したときに、慈しみ深い家族に出会い、強く感銘を受けた体験と重なり、心から同感できました。
蔵書の9割を先日、信頼する古書店に譲りましたが、「TRANSIT」だけは手放せませんでした。10年経過しても読み返したいし、そのときにも依然、自分にたいせつなものと想像できるから。そんな雑誌が今の日本で発行され、販売数だけで出版を存続できるほど支持されていることに希望と勇気を抱けます。タイトルの「美しき~」は「NEUTRAL」時代からの継続。変わらぬ信念を美意識をもって背表紙から伝えてくるようです。
LEICA M-E SUMMILUX50mm , HASSELBLAD 500 C/M PLANAR C 80mm
追伸:サマルカンドのモスクでハッセルブラッドのガラススクリーンに浮かびあがった、黄金に輝く幾何学文様の端麗さ、イスラム教徒一家の凛とした平穏な表情が眼に焼き付いています。
追伸:サマルカンドのモスクでハッセルブラッドのガラススクリーンに浮かびあがった、黄金に輝く幾何学文様の端麗さ、イスラム教徒一家の凛とした平穏な表情が眼に焼き付いています。