業務用とうたう製品に惹かれます。武骨で頑丈、プロが使う道具。ぼくのもの選びの基準は、長く飽きずに使えるかどうか。業務用製品はその要求に応えてくれるものが多い。平塚の業者にオーダーしたステンレスのテーブルに載るのはOZAKIのガス台。導入当時は、一般の人も購入できました。中華料理店のキッチンみたいに、火力が凄くて、油で炒めものをすると、ゴーッ!と炎が立ち上がる。その火の勢いに最初は腰がひけたけれど、慣れると、その火力でないと物足りなくなる。業務用だからこそ、おいしく調理できる料理があることを実体験として知ることができたのは、幸運でした。
錆で所々穴が開いてきているけれど、10年酷使して、まだまだ現役。傷んだ部分はパーツを交換して使い続けたいな(規制がかかった現在、業務用のパーツを一般人が買えるのかは要確認)。強力な火であぶられた柳宗理さんデザインのやかんは、無精もあって、すっかり黒ずんでしまいました。これは20年間使っていて、河出書房新社から出た、柳宗理さんの追悼ムック本にも、この汚い愛用品の写真を掲載していただきました。柳さんのキッチンツールは、すべてが使いやすいとは言いきれないけれど、うちの厨房にはかなりの割合で、柳デザインが占めています。
LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm