青い光が清らかな朝は、この時期、影が長い。歩く人と犬、松林のシルエットが美しい。
陽が落ち、暮色に染まる速さも日に日に増し、真冬へと一気に季節が向かう。その変化に10月という時期はいつも戸惑い、家を出るタイミングもサマータイムの感覚から抜けきれず、遅れ気味に。
ゴールドからパープルに照らされる波打ち際を、うちの犬はゆったりと進む。草むらも好きだけど、本来苦手なはずの水が押し寄せるエリアもスタスタと歩く。ときどき、波音に耳を澄ませているよう眼に映るから、それなりに彼女も心を休めているのでしょう。
歩くスピードもこのごろめっきり遅くなったから、散歩のしまいには、あたりに紺碧な夜の色が忍び寄ってきます。
夜を連想する色をまとうカラスも日の終わりになごんでいる。
カアカア・・・。カラスと一緒に山のふもとの家へ帰ります。
LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm