50歳を過ぎて、牛肉があまり旨いと感じられなくなりました。もとより魚介類は好きじゃないから、これからは野菜や大豆オンリーの食事でもいいんじゃないか。あまり深く考えず脱肉食を思い浮かべたりします。しかし、ときどき体が欲する肉がある。それはとんかつです。食べたくて食べたくてたまらない。身も心ももだえるほど口にしたくなるから、まだまだ自分はヴィーガンにはなれないのでしょう。仕事場近くの東銀座にはとんかつの名店「にし邑」がある。数ヵ月に一度ほどのタイミングで、この一軒に向かえる日には朝食も抜いて、キャベツとご飯、味噌汁が大盛りの皿と向き合います。この店がある限り、ぼくはとんかつ愛から冷めることはない気がします。
追記:夜は居酒屋然となり、風情ある灯を路地に漏らす「にし邑」。いつか日没後のカウンターに腰かけたい。
LEICA M-E , SUMILLUX50mm ASPH.